毎日その生活を過ごしていた
今日も慧のお見舞いに行った帰り道...
バスから降りると見覚えのある後姿が見えた
「あれ...司くん?」
「お、心愛じゃん!」
振り向いた姿はやっぱり司くん
黒いスーツに青いチェックのネクタイを
閉めてダルそうに鞄を持っていた
「久しぶりだね♪元気だった?」
「あぁ、見ての通りな。最近会ってなかったもんな」
「うん。忙しかったもんね。あたしは受験生だし
司くんは、就活だもんねー」
「ああ。まぢ疲れるっつーの」
司くんは、伸びをしながらネクタイを緩める
「会社決まった?」
「まだ受かったかは、分かんねえけど
最終面接まで登りつめたとこ」
「最終まで?すごいよ!司くんなら採用されるよ♪」
「いやー...最終までは何回も来てるんだけど
最後の最後で落とされるんだよなー。
はあぁ─.....俺ってついてね─よ」
「そっか...頑張れ♪まぁ...あたしも受験
頑張らなきゃなー」
考えるだけでやだ
さっさと受験なんて終わらしてしまいたい
「そうだな。心愛なんて俺の後ろばっか歩いてた
くせにもう制服も着なくなるのか─...
なんか寂しいなー」
「ほんとあっという間だよね...」
「あぁ...そうだ。分かんねえ問題とかあったら
聞けよ?まぁ、心愛も分かんねえ問題なんて
なさそうだし俺も分かんねえかも
しんねえけどさ」
「ううん!ぜひ教えてもらいまーす♪」
司くんが微笑みながらあたしの頭をなでた
「...なんか司くん変わった」

