キミに送る約束~空に向かって~


どうすればいいのよ───っっ!

──────...

「慧!」

「お、心愛。早かったな。あ。終業式だったのか」

「うん...あのね、あたし大学決めたよ」


慧は、黙って聞いている


「医大受ける事にしたの。お医者さんに
なりたいな─って思って」


慧は、まだ黙ったまま聞いている


「慧...?どっどうしたの?」

「あぁ─、いや...俺...心愛は、医大行って
医者になるんだと思ってたから...」

「えっええ!?」

「まあ、頑張れよ」


慧は、優しくあたしの頭をなでる
なんかペットみたいな扱いだなー...


「で、慧はちゃんと勉強してるの?」

「してるに決まってんだろ!ほら!」


慧は、そう言ってプリントを見せてくれる

学校...のなのかな?
名前を書く欄がちゃんとある
プリントは、全部答えが埋まっていた


「すごいじゃん!慧答え全部埋まってる!」

「まぁ...心愛がいないとこで頑張ってたからな」


慧は、照れたように視線を反らす


「慧は、行きたい大学とかあるの?」

「...まだ考えてねえんだよ。とにかく学力
上げる事が今の目標だしさ...「慧!よっ♪」

「ッ!?加藤さん!?」


廊下から聞こえた声の方を見ると
20代くらいの男性が立っていた

車椅子に乗っている...

金髪で少し怖そうだけど世間ではイケメンに
分類されるに違いない