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「あ~あ。だから来なくていいって
行ったのに。」
ベッドに横になっている梓が口を
尖らせて言う。
「うつしたくなかったんだよー?
あ、でもバカは風邪ひかないって言うか♪」
「うるせえ。病人は黙ってろ。」
俺は、梓の頭を軽く叩いた。
梓は具合が悪いのか頬が少し赤い。
体も熱い。
「親...いねえの?」
「うん。仕事行ってるからね。」
「そう.....か。」
具合悪いのに大丈夫なんだろうか...
「ねぇ、慧くん。うちくるまでに誰かに会った?」
「誰かにって...誰に?」
「うっううん。誰にも会ってないならいいや。」
「.....?.....あれ、梓もう進路先
考えてんの?」
梓の机には、有名な大学の名前が書いた
プリントが沢山あった。
「あー、ママが取り寄せてきたんだけどね。
でもあたし英語好きだから英語
伸ばしたいなーって思っててさ♪」
梓が持ったプリントはうちの学校に
行っている奴なんかがいけないような
大学。
やっぱり俺が梓とつきあっていていいのだろうか。

