「加藤聡。20歳だ」
「へえー。俺と同じ名前じゃん」
「は?同じ名前?」
「俺の名前は、神楽慧。18歳」
「へえー。...それは奇遇だな」
男は、俺の頭を軽くつつく
「で...お前は、脳腫瘍だったな?
じゃあ、俺の病気当ててみろ」
「...知りませんよ。そんなこと」
「ふっ、俺は...心臓病」
心臓...病?
「ちっちぇー頃された余命宣告は20歳まで。
だから死ぬのは、時間の問題。今日
死ぬかもしれねえ。明日死ぬかもしれねえ。
いつ死ぬか分かんねえの。だから好き勝手して
生きてんの。歩きたくもねえから車椅子借りて
ずっと座ってるわけ」
「.....」
「俺に同情...しちゃう?」
「しませんね」
俺は、即答する
「は?」
「しませんよ。お互い似た立場なんですから」
「ふっ、お前面白い奴だな」
それから俺と加藤さんは、気が合い
よくお互いの病室を行くようになった
加藤さんは、たくさん面白い話を持っていた
ホラ話かと思う話もあったけど
どれも本当に面白くて
笑いが止まらなかった
年上ってこともあり色んなことを知っていて
色んなことを教えてもらった
嫌な入院生活も加藤さんがいることで
明日が楽しみだった─...

