「生意気な奴だな。お前みたいな奴は、
俺の気持ちもわかるわけねえなー」
男は、また自販機を蹴る
「迷惑だっつってんだろ」
「ふっ、正義ぶんなよなー。お前みたいな奴は
大した重くもねえ病気で入院
してるだけなんだろ」
俺は、黙ったまま男を睨みつける
「何とか言えよな」
「大した重くもない病気...?
あんた俺の病名知ってんの?」
「ああ?「俺、脳に腫瘍があんすよ」
「.....は?」
「オヤジも脳腫瘍で死にました」
男は、顔色を変えて俺を見る
「俺に同情...しますか?」
「.....知るか」
そう言って男は、車椅子を運転して
フロアから出て行った
─昼食が済んだ後男が病室の前に立っていた
「俺の話も聞いてもらおうじゃねえかよ」
男は、そう言って俺に近づいてくる
「...ストーカーですか?」
「はあ!?」
「何で俺の病室がここだって知っているんです?」
「そんなもん脳腫瘍だとか行ってたから
大体ここだろうと思ったんだ」
男は、ぶっきらぼうに言う
「俺ばっかり言われっぱなしだと
ムカついたんだ。さっきのお前の話より
もっとひでえ話してやるよ」
「ふっ、じゃあどーぞ」

