慧Side
「何か質問などは、ありますか?」
今日、俺は母さんと手術の説明を受けていた
ハッキリ言って内容は難しくて
さっぱり分からねえ
けど分かったのは...そんな簡単な手術では、
ないってことだけ─...
「慧くん。不安な点とかあったら何でも
言ってくれて構わないよ」
不安な点....か
「慧くん?」
「...この手術で失敗したら俺...
どうなるんですかね?」
先生の顔が曇った
だけど俺は、質問を続ける
「失敗したら...死にますかね?「慧っ!」
母さんが俺の言葉を遮る
「ふっ、冗談ですよ。先生。頼みますね」
先生の瞳をじっとみる
途中で先生が目を反らして頷いた
昔から嫌いだ。視線が合って目を反らすことが
そのせいでよく勘違いして寄ってくる女も
数々いた。好都合だったから俺もそれに
乗ってよく遊んでいたけどな─...
──────────...
「なぁ、心愛」
「ん─?」
夕方になって心愛が見舞いに来てくれた
ひまわりの花がしなびれて来たから
新しいひまわりの花を買って来てくれた
「俺がもし手術成功したらさ...
ご褒美くれる?」
「ご褒美...?」
「そっ。ご褒美」
「ちょっ、ご褒美って何よ!高いものとかは
無理だよ~っ!」
心愛が顔の前で必死に両手を振る

