勇気を振り絞って慧に近づいていく
「慧!あの.....っッ!?」
一瞬自分の目を疑った
目の前にいる慧が泣いているから...
こんなの...初めて見た
いつも弱音も吐かない慧が...
泣いているなんて.....
「もう...来てほしくねえんだよ。これ以上
心愛のこと...傷つけたくねえんだ。
何回も言ってるだろ?
俺.....もう止まらねえんだよ─ッ!」
慧の手に大粒の涙がポタポタ落ちる
「だからもう来んなって「...もう沢山
傷つけられたからこれ以上何も
ないわよっ!?」
「...は?」
「ふざけないでよっ!あたしが今までどんな
気持ちでここまで足を運ばせたか分かる!?
慧に会いにくるためっ─...慧の顔
見るため...慧を...笑顔にさせたかったから...
だからあんなに毒吐かれても来てんのよ!
それが何よっ!傷つけたくない!?
ふざけないでよっ!.....もう...
どんなに傷つけられてもいいっ.....」
いいよ...もう─.....
「慧が生きててくれればいいよっ!」
あなたさえ...生きていれば─.....
「.....心愛っ...」
慧の弱々しい声...
「さと「...何でお前は、そんな強いんだよ!」
へ......?
「何でそんな無敵なんだよ!何でそんなっ...」
「強くないよっ!」
慧の言葉を強引に遮る
「強くなんてない...。あたし、弱いよ?すーっごい
弱いんだよ?ただ、頑張ってるだけ!
慧がいるから...頑張ってるだけ!
強い人なんて...いないよ」
「心愛.....」

