「ちょっ、待ってよ!慧があたしの言う事
聞くわけないじゃ「もう俺の話も
母さんの話も聞いてくれねえ─。
医者の話すら聞かないんだぜ?
もう心愛しかいねえんだよ.....」
そんな.....
「そんな誰もできない事...あたしが出来るわけ
ないよ─...今だってこうやって
追い出されちゃったんだよ?」
そうだよ...出来るわけがない
「ヒドイことうけど俺さ、千尋ちゃんが
死んだときもう慧は、立ち直る事
出来ねえんじゃねえかなって思った」
「え─...?」
「だけど見事にあそこまで毒吐けるくらい
心愛が立ち直らせてくれた。俺、正直
心愛には、無理だろうなって思ってたんだよ」
言葉が詰まる。司くんがそんな事思っていた
なんて予想もつかなかったから
「慧、千尋ちゃん一筋だっただろ?でも
今は、それも比べ物にならないほど心愛の事
愛していると思うんだよな」
「そんなわけな「分かるよ。俺だって心愛の事が
好きなんだから─」
司くんの真っ直ぐな視線が痛い─...
「なーんてなっ。今更俺の事好きになっちゃった?」
「なっ!そんなわけないじゃんッ!」
「そんなわけないかー...傷つくなー」
「ごっごめ「ばーか」
「いひゃっ!」
司くんがあたしの頬を引っ張る
「名前の通り愛してやってくんね?」
「名前.....?」
「そっ。心から愛してやってくれ」
心から....愛する
いつしかママが言っていた

