「司くんっ!ねえッ!」
司くんは、一向にあたしを離さない
腕を掴んだまま病院から出てずっと
走り続ける
「っ.....ゲホッゲホ...」
むせたあたしに気づいて司くんがやっと
足を止める
「司く「もう見てらんねえよ!応援する
つもりだったけど無理だ!心愛さえ
幸せならいいって思ってたけど...
いくらなんでもヒドすぎるだろ!」
「司くん!落ち着いてってば!」
「落ち着いてられっかよ!あんなの
ひでえよ!それに「あたし決めたんだってば!」
司くんの声を遮って大声を張り上げる
「決めたの.....何があっても慧の事
支えるって─...。ここまで来れたのは
司くんのおかげだよ?だけどあたしには、
やっぱり慧しかいないから─.....」
「はあぁ─...何度目?これ」
司くんは、髪をクシャクシャにする
「えっと.....」
「俺も諦め悪いよなー。ほんと情けねえ。
嫌でもずっと近くでお前等のラブラブ
見てきたのになー」
「なっ何それー」
急に司くんが地面に頭をつける
「ちょっ、どっどうしたの?」
「頼むっ!」
「へ─.....?」
司くんが土下座する
「慧に手術受けるように説得してくれ!」
「説得って...「頼む!一生のお願いだ!」

