「何回言えば分かるんだよ。帰れ」
「っ─.....」
病室に入った途端言う慧のお決まりの台詞
やっぱり何度聞いても胸が痛い
あたしは、自分のシャツを握り締める
「あたし...慧に会いたいから来たの。
だから帰らないよ」
「もう良い加減にしろ!うぜえ!俺は、
会いたくねえっつってんだよ!
もう来るなっっ!」
「おい!そんな言い方ねえだろ!」
「へ─.....?」
振り向くと司くんがいた
「司くん...どうして「慧、お前病人だからって
調子こいてんじゃねえのか!?お前だけが
辛いわけじゃねえんだよ!みんな
辛いんだよ!母さんだって俺だって心愛だって
みんな辛いんだよ!お前だけ「司くんっ!」
あたしは、司くんの袖を掴んだ
「やめて?」
「でもっ...「いいの!だから...やめて?」
司くんは、渋々黙り込む
あたしは、ぎゅっと司くんの袖を掴み直した
慧がそれを見ているのにも気づかないで...
「今日は帰ろ。司くん」
「心愛.....」
「じゃあね。慧」
そう言って司くんと病室を後にした
あたしと司くんは、病院の近くの公園で
足を止めた
「悪かったな。色々迷惑かけて」
ベンチに座りながら司くんが言う
「あいつ...どうかしてるよな。最低だろ─」

