キミに送る約束~空に向かって~


「なっ何よそれ!こっちがお断りよ!
それにあたし太ってないし!」


そんなの見ただけで分かる
心愛.....少し痩せた


「ほら、さっさと行くわよ!」


心愛が肩に鞄をかけ直して家から出る


「ああ」


久しぶりに心愛とこうやって並んで歩ける
いつも当たり前の事だったのに.....
それがすごく嬉しくてたまらない

俺.....なんか女々しいな




駅までは、TVの話なんかして行った

だけど電車が来て乗り込むと急に
心愛の顔つきが変わったように見えた


久しぶりの満員電車は、なんだか懐かしく
それほど嫌では、なかった


学校に近づくにつれ人が少しずつ降りて行って
電車が涼しくなってくる


「ねぇ.....慧」

「何?」


心愛の表情が暗くなる


「司くんから聞いたの。色々とね。だから
今すぐ入院して」

「.....」


どうせ最初から心愛が言おうとしている事なんて
分かっていた

分かっていたのに胸が凄く痛い


「ねえ、慧。お金の事心配なのは分かるよ。
家族に迷惑掛けたくないって気持ちだって分かる。
だけど今一番優先しなきゃいけないことは、
慧の体を治すことでしょう?
いざとなればうちの家だってお金
貸せるしさ「金貸せる!?ふざけんなよ!
俺のプライドだってあんだよ!心愛みたくな、
苦労もしらねえ人間に何が
分かるんだ─っっ.....っっ!」


急に頭痛がしてくる