「ねえ、慧。だから「出ていってくんねえ?」
「え─.....「悪いけど出て行って
くんねえかな?今は1人になりたい」
「でも「出てけっつってんだよ!うぜえ!
俺の気持ちなんてこれっぽっちも
わかってねえくせに分かったような
口利きやがってよ!お前なんかに
何が分かるんだよ!」
「さと「出てけ!もう何度も言わせんなよ!」
母さんは涙を流しながら俺の部屋から
出て行った
その瞬間俺の部屋のドアノブが動く
けど扉は開かない
「司、そっとして置いてあげて」
母さんの震えた声が聞こえた
ああ.....何でこう上手く
いかないんだろう.....
「でも!「司.....お願い」
母さんの声は、細くて今にも
消えてしまいそうだった
兄貴は、ドアノブを離したのか
ゆっくり上に上がる
「分かった.....」
兄貴の小さな声が聞こえたような気がした
「お前っ、本気で学校行くのかよ!?」
起きていくと制服を着た俺を見て
驚いたように兄貴が言う
「本気って何が?別にダルくもねえし
これ以上休んでたら卒業できねえから
行くんだよ。邪魔」
兄貴が洗面器の前にいるのを押して
俺が鏡の前に立つ
久しぶりに着た制服
ネクタイって結ぶのダリぃな
「慧、何も今日学校に行く必要は
ないじゃないの」
母さんが口を挟むが俺は、全部無視
「なあ、お前母さんの話きいてんのか?」

