写真を見たって大した大きく
ねえし─.....
「これ、見てもらえますかね?」
写真を壁に貼られる
「.....?あの、どうかしたんですか?」
母さんが顔を真っ青にしながら聞く
「ここ.....分かりますか?」
いつも医者が指差す位置
俺の.....腫瘍
「あっあの.....「はい...以前より
少し腫瘍が成長しています」
素人の俺が見ても分かるくらい
腫瘍は成長していた
「でっでも俺全ッ然頭痛もしませんよ!」
「それは、薬が一時的に効いているからです」
「でも、前よりほんっとに楽なんだって!
全然体も軽いし「慧くん」
先生が俺の言葉を遮る
「キミだけの体じゃないんだ」
「は.....?」
「キミだけの体じゃない。それは、分かるね?
家族が居て友達がいて─.....大切な人がいる。
みんなに支えられてキミは、ここにいる。
そんな簡単にいえるような体じゃ
ないんだよ。命は大切なんだよ」
っっ─.....分かってる。そんなことくらい
「だからね、慧くん。今すぐ入院の
手続きを「ざけんなよっ!何が入院だよ!」
「慧っ!」
母さんが俺をなだめる
俺は、自分の膝を何度も叩く
痛みさえ感じなかった
胸の方がよっぽど痛かった
「あんた、医者だろ!?治せよ。俺の体今すぐ
治せっつってんだよ!」
机を思いっきり叩いた

