慧Side
「なあ、兄貴。あの日.....何で急に
家出したんだ「慧、最近ちゃんと
学校行けてるかー?」
兄貴に言葉を遮られた
わざわざ兄貴の部屋まで行ったって
いうのに兄貴は机に座ったまま
課題やら何かをやっている
俺は兄貴の机を叩く
「おい!俺が先に聞いてんだよ!
だからさっさと答えろよ!」
何度聞いてもごまかす兄貴
母さんもそれについては何も聞かない
やっと体調も安定したって
いうのにもうみんなあの事は
忘れているようだった
「なあ、何とか言えよ」
俺がどんなに言っても兄貴は耳を傾けない
「なあ!」
「....今はそんな事関係ねえだろ」
「ざけんなっ!「お前は...黙って医者の言う事
聞いて治療してろ」
兄貴は、そう言って俺を部屋に残して
出て行った
───────.....
翌日、診察という事で学校を休んで
母さんと病院に行く事になった俺
相変わらず兄貴は俺を無視し続けたままだった
診察室にまで母さんはついてきて
俺と椅子を並べて座る
「なあ、母さん。ここまで着いてこなくて
いいって」
「何、言ってるのよ。あんただけじゃ心配
でしょ」
母さんと軽い言い争いをしていると先生が
俺の脳の写真を持ってきて
椅子に腰をかける
ハッキリ言ってこれが腫瘍だとか
なんやら説明されても
これっぽっちも分からねえ

