キミに送る約束~空に向かって~


「ううん。頼んでないよ.....?」


知ってる.....の?

あたしは本を開いてパラパラページを
捲っていく

脳の絵の横には色んな説明が小さな字で
沢山書いてある

あたしは、それを真剣に読む

──────────...

「大体読んだか?」

「わっ!ビッビックリしたー」


髪が濡れたパパがいつの間にか隣のソファに
座っていた


「それ、病院でもう使わなくなったから
貰ってきたんだよ。慧くん.....
脳腫瘍なんだろう?」

「何で知っているの...?」

「...司くんから聞いたんだ。
助けてくださいって昨日頭下げられてな」

「そう.....なんだ」

「まあ、俺は担当が違うから脳の手術も
何も出来ないんだけどな」


手術.....


「ねえ、手術ってどれくらいかかるの?」

「どれくらいって.....大分かかるんじゃ
ないのか?」

「大分ってどれくらい!?簡単にすぐ
治る方法ないのっ!?」

「こっ心愛。落ち着けって」

「ねえ、慧このまま放っておいたら
どうなっちゃうの?今すぐ手術
受けれないの?」

「おい、心愛「パパがなんとか手術出来る
方法ないの!?」


止まらないあたしは、パパの肩を揺さぶる


「ねえ、手術パパがして!」

「だから俺は担当が違うから出来ないんだ」

「だったら今すぐ担当変えてよ!」

「心愛!」


パパが怒鳴りあげる