「...急に家飛び出して.....ごめんなさい。
沢山心配かけてごめんなさい。
勝手なこと言ってごめんなさい。
こんな娘で.....ごめんなさい.....。
けどっ.....あたし決めたの!
あたし.....大切なもの守りたい!
夢叶えたい!だから.....医大には
.....いかない─ッ!R大受ける」
「.....」
パパは黙ったままあたしを見ている
「お願いっ...R大受けさして下さい」
あたしは頭を下げる
叩かれてもいい.....幻滅されたっていい...
あたしは.....1度しかないこの人生を...
無駄にしたくない─っ
「勝手なこと言いやがって.....」
「っっ.....」
「頭を上げろ」
あたしは、ゆっくり頭を上げる
「子供のくせに.....何生意気なことを
言っているんだか.....」
「パ...パ「母さん、俺は今からちょっと病院に
行って来る。残っている仕事があるからな。
夕飯前には帰ってくるから」
「えっええ。分かったわ」
パパがリビングから出て行く
その後ろをママが追いかける
あたしはただただ呆然と立ち尽くして
パパが病院に行くのを見ていた
小さい頃からずっと言われ続けていた
「心愛。お前は医者になって沢山の人の
命を助けるんだ」
「命.....?」
「そう。命。胸に手を当ててごらん」
パパに言われたとおりよく言葉も分からない
幼いあたしは胸に手を当てた
「ほら、胸が動いているだろう?」
「うんっ!ドックン、ドックンって動いてる!」

