「待ってよ!慧っ!」
猛スピードで走るがいつもより上手く
早く走れない
─ドンッ
「きゃっ!」
心愛の叫ぶ声が聞こえて振り向くと心愛の
自転車が倒れて心愛は地面に転がっていた
俺は一旦自転車を止めて心愛の自転車を
元に戻す
「いったぁ.....」
心愛の肘から血が出ていた
膝には大きな絆創膏が貼っていた
昨日の.....傷だ
俺は心愛に手を差し伸べる
心愛が俺の手を握ってゆっくり立ち上がる
「ありがと.....」
「.....これからは、もうついてくんな」
冷たくあしらった
「何で.....?あたし、ウザ...い?
あたしの気持ち...もう迷惑なの?
慧の気持ち.....変わっちゃった?」
目に涙をいっぱいためて言う心愛
心愛は黙っている俺を抱きしめた
俺は心愛の腕をゆっくり解いて心愛から
離れる
自転車にまたがってもう一度だけ振り向いた
心愛の目には涙が流れていた.....
「兄貴が.....待っているよ」
「へ─.....?」
心愛が後ろを向くと兄貴が近づいてくる
「心愛、送るよ」
兄貴が心愛の肩に手を置く
「慧っ!」
俺は、二人をおいて自転車を漕いで行く
もう.....心愛は追いかけて来なかった

