兄貴が泣きながら言う
俺の視界もにじんでいく.....
「心愛を.....頼むよ」
「ざけんなよ!頼まれっかよ!」
「.....俺じゃ幸せにできねえんだよ」
「治りゃいいだけの話だろ!なあ、
今すぐ手術受けろって!
受けろっつってんだろ!なあ!」
「...兄貴、ありがとな」
「っっ!手術しろっつってんだろーが!」
兄貴が俺のシャツの襟を掴む
「...言われなくても分かってるっつうの。
あの.....さ、このことは...心愛には
内緒にしてくれ」
「んでだよ「泣き顔は...見たくないんだ」
俺の親父が死んだ時だって...
あんなに泣いたんだぜ...?
「お父さんっ!何でぇ...?何で死んじゃったのぉ?」
葬式の会場で父さんの遺影を見ながら泣いた俺
あの時はよく“死”とかわかんなかった
だけどもう父親に会えないってことだけは
分かっていた─
「お父さんっ「さと.....しぃ」
後ろから心愛が抱きしめてくれたんだ
「心愛...お父さんがっ...「慧っ.....」
小さな手で俺の手を握ってくれた
「あたしが...慧のパパになってあげる!」
「え.....?」
「だから泣かないでっ.....慧パパは
慧が泣いているの見たらもっと
泣いちゃうんだよ?」
「心愛.....」
「あたしが慧のパパになるから...だから...
泣かない「うぅ.....お父さん.....やぁだ─.....」
俺が泣き止むまでずっと隣で
手を握っていてくれた心愛......

