慧Side
数時間前...病院にいった
補習なんて全くの嘘
そんな物うちの学校で受ける奴なんて
数えるくらいしかいない
教師もうちの学校から大学に
行かせる気もないわけだからうちの学校の
補習なんて受けたって意味がないと
言われている
心愛に病院の説明でもして勘付かれたら
ますますまずいから補習だと
嘘をついて病院まで行ったってわけ
「神楽さん」
診察室に入ると先生がいつものように
接してきた
「で、具合はどうだい?」
「.....特にいつも通りです」
「本当に?」
「はい」
「それは嘘だなぁ─」
俺の頭の写真を見ながら先生が言う
「.....吐き気がします。頭痛がめっちゃ
します。授業にも集中できません。
めまいもして立ってるのも疲れます。
治してください」
「随分言うねー。慧くん。キミもわかって
いるだろう?この治療はすごく大変で
時間もお金もかかるんだよ」
「保険金で...何とかなりませんかね」
「もっと進行するまえに手術をすることを
医師からとして勧めるよ」
「それ.....一体いくら必要なんですかね?」
「.....お金の事は高校生のキミはまだ
考えなくていい。お母さんと話し合うから
明日でも一緒に来てくれるかい?」
先生はカルテにスラスラと何かを書いていく
「うち...母子家庭でそんなに金に
余裕ないんですよ。いくらかかるんですか?」
「.....それを聞く必要があるのかな?」
「っっ─.....」
「まずはじぶんの体を治す事が
優先すべきことだよ」

