「っっ...くぅ─っッ!.....」
親父も...こんな気持ちだったのか?
俺.....親父みたく苦しんで死ぬのか?
『初期の段階なのですぐに手術を
しましょう』
先生がそう言っていた...
「そうよ!慧、手術受けましょう!」
母さんも思いだしたのか言う
「.....どこにそんな金があるんだよ」
「そんなの大丈夫よ!貯金だってあるんだし!
お金なんていざとなればなんとか
なるわよ!あんたの保険金だってあるんだし」
「.....保険金だけで足りる問題じゃ
ねえだろう!それに手術受けて絶対に
完治する問題でもねえだろ!」
父さんの時だってそうだった...
何度手術を受けてもすぐにまた
脳に腫瘍ができるの繰り返し
「だったら.....死んだほうがましだ!」
「さと.....し」
あぁ─.....何て最低な事を
言ってしまったんだろう
「.....ごめん。もう帰りたい...
家に.....帰りたい」
帰って.....眠りたい...
朝起きて...全部これが夢だったら...
どれだけ幸せだろう.....
「.....分かったわ」
それから記憶があまりない─...
ただ強く決心した事...
それは.....
心愛には、絶対秘密にするってこと─...

