「...で?」
「司にも言われたことあるのよ。
『俺は、母さんの思って入るほど出来た
子供じゃねえ!』って...驚いたわ。
それからすごく反省したわよ。確かに
体の弱い父さんに似た慧ばかり
いつも気にしてたから。でもあたしは、
どっちも同じくらい愛情を注いだつもり
だったの」
「へぇ─.....」
「そのせいで、司に厳しく塾に行かせたり
勉強ばかりさせていたわ。司にはちゃんと
立派にかしこい大人になってほしいって
思っててね。それに比べて慧は
体が弱いからっていつも目に届く場所に
おいて勉強なんて何1つさせなかったわよ。
今となっては後悔だらけよ」
「悪かったですねー」
すると母さんがバックミラーを通して
俺を見てまた笑う
「ほんとよー。女にだらしなくなってね。
いつも女の子連れまわして遊んでいるし。
ほんとに一時期心配だったわ」
「.....」
確かに梓と付き合うまでは女は
とっかえひっかえだったもんな...
「けど、やっと見つけれたんでしょう?
大切な人を.....」
「へっ!?」
「心愛ちゃんよ。あれだけラブラブにしてたら
気づかないはずないでしょ?
部屋からもずっと心愛ちゃんと話している声
聞こえるし。」
「あっあぁ─...///」
知っていたのかよ...
「絶対に逃しちゃだめよ!あんな可愛くて
頭も良くて気が利く女の子なんて
そうそういないんだからね」
「へいへい」
「本当に分かっているのかしらー」
「分かってるって。あ、着いた!
鍵貸して。開けとくから」
車が止まったのを確認して俺はすぐ家に入った

