キミに送る約束~空に向かって~


「ねぇ!梓ちゃんは...慧の他に彼氏が
いたんでしょ!?」


慧は、裏切られたんでしょ?


「梓は...神楽先輩だけだった!浮気なんて
絶対にそんなことしてないッ!
見たの!あたし...梓が男に電話で
脅されているのを何度も......
『俺と付き合わなきゃお前の男も全部
殺してやる』って─...聞こえたの!
梓は、聞き間違いだとか言ってたけど...
そんなはずないっ......脅されていたの!
聞き覚えのある声なのッ!中学の時梓に
しつこくしてきた男の声と一緒だったの!」


う.....そ?


「全部あんたのせいよッ!」


叩かれる!あたしは目を瞑る


...だけど一向に頬に痛みがない.....
ゆっくり目をあげる

女の子の手は誰かにちゃんとつかまれている


「勝手な事言うな。あいつは、俺を裏切ったんだ」

「さと.....し」


何で...いるの?


「神楽先輩........本当ですっ!梓は...
神楽先輩だけを愛していたんですっ!」

「違う。勝手な事言うな」


慧はあたしの手首をつかんで公園から
出て行こうとする


「待って!ちゃんと話聞こうよ!」

「聞く事なんかねえよッ!」

「慧、今聞かなかったらずっと後悔するよ?
きっとずっと自分の事許せなくなるよ?」

「っっ─.....」

「慧、もうあたし目の前の事から逃げたくない。
慧は逃げてばかりでいいの?」

「.....」


慧はあたしの手首を離した


「梓に.....何があったんだよ.....
教えて.....くれ......ょ」