職員室から出て急ぎ足で千尋が待っている
教室に戻る
考えた事もなかったことが口から出た
人の役にたちたいだなんて.....
教室には、暇そうに机に座っている
千尋がいた
「千尋!おまたせっ!帰ろ」
「あ、もーう!心愛遅すぎだよー」
「ごめんごめん」
それから2人で校門を出た
「ねぇ...千尋は、夢とか...ある?」
「夢?あぁ、進路相談で聞かれたの?」
「うん、で?」
「あたしはねー...介護士」
「介護士?」
なんか千尋にそんなイメージ全然ない
千尋だったらもちょっと派手な
職業の方が合っているのに
「ふふ、お母さんがね介護士やっているじゃん?」
「ああ!そうだったね」
「うん、毎日クタクタで休みもあんまりなしで
帰ってくるんだけど...何ていうか...
お母さん凄く仕事の話になるとイキイキしてて
カッコイイっていうか...憧れなんだよねー」
「へぇ─...」
「心愛は?夢、ないの?」
あたしの夢─.....
「やっぱり...わかんない」
「え?」
わかんない。どうすれば誰かの役にたてるのか
どうすればみんな幸せになれるのか
わかんない
そんなあたしが熱く夢なんて語れないよ...
「あたし.....わかんないや」
結局何も答えられないあたしは、
千尋と別れてすぐ家に帰った

