─それからシャワーを浴びて自分の部屋に
入る
隣の家の慧の部屋には明かりが
ついていなかった...
あたしは、本棚からアルバムを取り出す
高校に入ってから作ったアルバム
貼っていなかった写真を貼って
アルバムを見て行く.....
入学式の写真...
神楽家と姫宮家でバーベキューを
した写真.....
バイトで梓ちゃんと一緒に撮った
写真.....
全部...大切な思いで
「っっ─...ごめんね、梓ちゃん」
「姫宮、C判定はキツいんじゃないか?」
職員室で担任が言う
行きたい大学の合否判定がC判定だった
「姫宮は最近悩みでもあるのか?
去年からだいぶ成績が落ちているぞ」
「いえ...何もありません」
「そうか.....だったら夢とかないのか?」
夢.....?
そんなの.....
「ないです」
「...つきたい職業もか?」
「あ、あたし...人の役に立つ仕事が
したいんです.....」
「人の役?」
「あたし...人の役に立って人の痛みを
分かりたいんです...」
「そうか。いい目標だな。だったらまずは
C判定をBに持っていかなきゃな。
姫宮なら大丈夫だろう」
「はっはい!」
「頑張れよ」
「ありがとうございます。失礼しました」

