「ねっ!この間別の女と遊んだんでしょぉ?
いいじゃぁん!あたしとも久々に
遊ぼっ♪ね?ねぇ─?」
「悪ぃ、今日俺さ気分悪ぃから帰る」
適当に目の前の女をあしらう
「えぇぇ─ッ!やぁだ!あたしとも遊んでよ!」
「うるせえっつってんだろ!」
女は肩をビクッと落として俺のことを
追いかけてこなかった
校門から出ると1年のカップルが仲良さそうに
手を繋いで歩いていた
今の俺は.....1人
行く場所なんかねえ
迎えにいく奴もいねえ.....
「っっ─.....」
また頭痛がする........
「っっ...はぁ...はぁ.....」
そのまま地面にしゃがみこむ
「あのッ!大丈夫ですか?」
ジャージを着た女子が話しかけてきた
俺の背中をさすってくる
「あの、先生呼んできますから「触んな」
背中においてあった手をどかす
「でも「大丈夫だから......」
鞄を拾って逃げるように校門を
飛び越えた.....
あの時の俺は.....
現実から全部逃げていたんだ─.....
心愛からも...兄貴からも...
自分の体からも─.....

