あたしの紹介なんてまったく聞いていない
慧は梓ちゃんの手を勝手に
握りだした。
「俺、神楽慧!バカだけど好きな子には
全力で尽くすタイプ!
よろしくね♪」
ああ、もうだめだ。
あたしは2人から距離をとった。
一緒にいたら邪魔をしちゃいそう。
「いらっしゃいませー。」
お客さんに適当な接客をして
お寿司を運ぶ。
一応...ここはすし屋なわけだから
こんなラブラブムードの2人は
あまりいないわけで.....。
「梓ちゃん。今日帰っていいよ。」
あたしはこっそり梓ちゃんに
昼休みをあげた。
その分あたしが働けばいいんだから。
もういいの。
慧は.....あたしなんて
どうせみてないんだから。

