「なんでって...わざわざアイツの
墓まで足運ぶ必要もねえしさ。」
そうだ...俺が梓のとこまで行く必要
なんてこれっぽっちもねえ。
「.....昔、大切だった人だよ?何で
大切だった人のこと...そんな風に
言えるの?」
「は─?だったら心愛は俺が梓に未練たらたらで
あんな女のために墓まで行って拝んで
足運ばせろっつうのかよ?」
心愛は冷たい目で俺を見ている
「意味分かんね─。」
「どうして...そういう風に考えるの?」
「あ?」
「慧もしかしてまだ梓ちゃんのこと
吹っ切れてないんじゃないのっ!?」
「はあ?なわけねえだろっ!」
ありえねえっつうの!
「だったら何で梓ちゃんの名前が出ただけで
そんなに動揺するのよっ!」
「別に動揺なんかして「してるッ!だったら
あたしの目見てよ!」
心愛と視線をゆっくり合わす
まっすぐな瞳で迷い一つもない瞳で...
俺はそのまま視線を反らしてしまった
「どう...して...なの?何で見れない...の?」
「違「慧ほんとはまだ梓ちゃんの事好きなんだっ!
時々そう!慧いつもあたしといるときどこか
違う方向を見ている!あたしじゃない違う何かを
見ているっ!」
「こっ心愛!落ち着けって!」
周りの視線が俺らに集まる
「落ち着いてるッ!あたしはいつも冷静だっ!
ねえ、何で!?ほんとは...
梓ちゃんのこと好きなんでしょっ!
忘れられないんでしょっ!あたしホントは
R大なんて受けようとも思ってないもん!」
は.....?

