─────放課後。
「はいぃ!?梓ちゃんを紹介すれだと?」
『あ、あの子梓ちゃんっつうんだー。
いやー、電車見たらお前の隣
可愛い子いてびっくりした。
紹介しろよー。』
受話器の向こうからテンションが
あがりきった慧の声が響く。
あたしは受話器を少し耳から離した。
「...今日バイトなんだけど。」
『したらバイト先で梓ちゃんと俺に
あわせてよー。』
あたしはしばらく悩んで考える。
ハッキリ言うと梓ちゃんも一緒に
働いているからなー...。
『なぁ、ダメなのかよ!?あ、それとも
俺を紹介させたくないとか?』
─イラッ
「あったまにきたあ!誰があんたに
やきもちやくかよ。いいよ。来なよ!
今すぐなっ!ふんっ!」
あたしは力をこめて携帯を閉じた。

