「っっ...。」
唇をかみ締めてあたしはただこらえる
「心愛......」
隣で心配そうな千尋の声が聞こえる
「大丈夫。あたしは大丈夫ッ!」
千尋だけには心配をかけたくない...
大切な親友だから.....
「うんっッ......!」
千尋の優しい手があたしの手を包んだ
あたしは大丈夫─!
みんながついているからっ!
────────
授業が全て終わって校門まで千尋と出る
いつも2人で駅まで行き慧たちと
合流してそれぞれデートやらを
して帰って行っている。
けど今日は学校を出たときから雰囲気が違った
『キャアアアアーッ!』
校門はあたしと同じ制服を着た女の子達で
いっぱい!
すごい歓声が聞こえる
よく慧が今まで梓ちゃんを学校まで迎えに
来ていたときはこんな歓声があがっていた
けどあたしが慧に迎えに来ないでって
行っているから慧はこの学校に来なくなったし
宗佑くんも慧と駅で待つようになったから
イケメンが来ないってわけでこんな歓声が
あがることなんてなかった。
久しぶりだな......こんなの
「一体どんなイケメンが来たんだろーね。」
あたしと千尋は鼻で笑ってその
人ゴミに近づいて行く。
近づくにつれて足がガクガクしてくる。
本当に足が動いているのかもわかんなくなる
だって......
何で......?

