「ん。そういう顔。」
「え.....?」
「心愛には百面相が一番似合う!」
「.....最低っ!ばか──っ!」
あたしは慧の頭を叩いた
「ってえな!ここ外だぞ!こんなとこで
普通叩くかっ!」
慧は痛そうに頭を抑えている
「こらこら。また喧嘩ーっ?注目浴びすぎ。」
呆れたように千尋と宗佑くんが近づいてくる
宗佑くんの手には千尋の手と大きな
ショッピングバッグでいっぱいだった
「それ...こんな短時間で買わされたの?」
「まあな。ほんと千尋は困っちゃうよ。」
宗佑くんは苦笑い
その隣の千尋は嬉しそうだった
「ほら、行くぞ。」
さっきまで頭を抱えていた慧はもう
立ち上がって店から出ていた
「あっ!待ってよ。」
慧の隣まで駆け寄った
「ん。」
慧がさっき宗佑くんが持っていた袋と
同じバッグをあたしに差し出す
「え.....?」
「さっきのスカート!買ってやるっつったろ?」
慧......
「...ごっごめん!」
「ごめんじゃなくて.....。」
「あっ!.....ありがと///」
慧は何も言わずまた歩き出す

