「どしたの?」
後ろに慧がいた。
「あっ...えぇっと...かっ鍵...家の
中で...ぱぱとまま今仕事で...。」
「ふぅーん。あほだな。」
「なっ!慧よりばかじゃないし!」
慧に言ったあたしがばかだった!
「まぁまぁ。だったらおばさん達帰って
来るまでうちに来いよ。外だと
風邪ひくしさ。」
「へっ?でっでも悪いし「いいから。」
そして慧に強引に手首をつかまれて
慧の家に入れられた。
「適当にタオル持ってくるから玄関で
待ってて。」
「あ─。うん。」
キョロキョロと家の中を見る。
ちょっと来ていなかった間になんか
雰囲気変わったなー。
「はいよ。」
慧がタオルを投げる。あたしはそれを受け取る。
「ありがと。」
タオルでぬれた肌を拭く。そこまで服はぬれて
いなかった。よかった。
「じゃ、部屋あがってて。」
「えっ!?」
「えっ!?って何だよ。変な意識すんなよな。
今ジュースとか適当に持ってくるから。」
「あ、うん。分かった。」
今まで慧の家にあがるのも部屋に
あがるのもこんなに緊張しなかったのに─...
あっあたしのばかばか!

