なんで...あたしは隣にいるのにそんなに
寂しそうに...笑うの?
「食い終わったか?」
「あ、うん。」
「じゃ、あと1つ店教えてやるよ。そこだったら
きっと心愛も選べると思うし。」
「うん。ありがとう。」
─────────────...
「500円のおつりになりまあす。はい。
ありがとうございましたあ。」
張り切った店員に送り出されて慧と
一緒にお店をでる。
「いいの選べてよかったな。」
「ありがと♪慧のおかげだよ。」
買ったものはセーター。
グレーと紺で迷って最後は慧に決めてもらった。
情けないあたし.....
「あ、雨だ。」
家の前につくと頬に当たったしずく。
だんだん雨が激しくなってくる。
「やば。あ、じゃあまた明日な。」
「あ、うん。ばいばい。」
そう言ってあたしは家に入ろうとする。
隣から慧があたしが家まで入るのを
見守っている慧が見える。
「あ.....れぇ?」
鞄の中から必死に鍵を探す。
今日は両親は仕事でいない。
「な.....い。」
鍵が.....家の中だあ!

