「...慧だからこうしているんだよ。」
そうだよ。慧だからだよ。
少しでも近くにいたいんだよ。
「へぇー。完全に俺の事ナメてんね。」
「うん。どうせ慧だもん。まずい事なんて
何1つないもん。そうでしょ?」
すると慧の指先があたしの頬に
少しだけ触れた。
「.....俺じゃなかったらどうしてた?」
冗談っぽく慧は笑う。
「...こんな近くにいなかったね。でも
慧じゃなくても大丈夫でしょう。
ドアも開いてるし窓も
開いているんだか.....んぎゃあ!」
慧がいきなりあたしの腕をひっぱって
あたしを起き上がらせた。
そしてあたしの肩に慧のあごが乗った。
「さと.....し?」
「あー、まぢ暑い。やっぱ疲れたなー。
女には。」
慧はあたしの肩から顔を離して
ベッドから降りた。
「心愛。なんかサンキュ。」
慧はまた昔のように笑った。

