「こっち?それともやっぱこっち?
あー、もうどうしようっ!」
何度もハンガーにかかった服を自分に
当てて悩むあたし。
外を見るとほら。こんなに晴れている。
「ふふ、んふふふふ。」
自然と笑みがこぼれてしまう。
だって今日は.....
慧とデートなんだもんっ♪
って...浮かれている場合じゃない。
あたしから誘ったんだし...
これはデートじゃない。
あたしの買い物に付き添ってもらうだけ。
『土曜日さ、一緒に買い物つきあってくれない?』
『.....どこに?』
最初から断られるつもりで言った言葉。
今でも思い返すとよく言ったなって思う。
慧なら素っ気無く断ると思ってたのに...
行く前提で答えてくれた。
『.....?』
『おい、聞いてねえのか?そっちから誘って
きたくせに。』
『へっ?あっ!えーと.....どっどこに...
しようか...な?』
どこに行くとか考えていなかったもん。
『っぷ!あほか。じゃあ土曜日までにどこ
行くか考えておけよな。』
そして...とうとう土曜日なんですよ。
今日はね。

