「うっ.....そっそれ本当なの!?」
むせた千尋が胸を抑えながら聞く。
「うん。もう決めたことだから。」
あたしは平然とお弁当を食べる。
新学期が始まっていた。
梓ちゃんが天国へ行ってまだ49日は
経っていないころ.....
「こっ心愛ねー、かっ“代わり”って何?
何であんたが慧くんのために
梓ちゃんの代わりになって
やんなきゃならないの!」
怒った顔で言う千尋。ごめん。
でも.....
「あたしさ、一度決めたこと簡単に変えたくない。
慧にだって悪いでしょう?それに
自分から言ったんだから。」
『あたしが梓ちゃんの代わりになるよ。』
そうやって決めたんだから。
後戻りなんてしたくない。
「はあ...心愛。それ支え方間違ってるよ。」
「間違い?何が間違ってるの?」
「それはただの心愛の自己満。全然慧くんの
支えにもならないから。」
「じゃあ、頑張る。」
すると千尋はおにぎりを包んでいたラップを
手のひらでぐちゃぐちゃにする。
「だったら、あたしは心愛のことこれから
応援できないっ!らしくないよ!
心愛はプライドっていうもんも
ないの?惨めな気分にならない?」
「.....最初から惨めだったから...プライドも
全部...捨てちゃったよ。」
千尋は黙ってその場からいなくなった。

