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火葬が終わってあたしは千尋に
支えられながら会場から出る。
そこにいたのは.....
「さと...し.....。」
制服をいつもよりちゃんと着た慧が
白い花束を持って立っていた。
でも慧の瞳には目の前にいる
あたしは映っていないように
思えた。
「葬式...終わった?」
「え?うん.....。」
「そっか。良かった。」
良かった.....?
「なんで...慧来なかったの?」
「心愛っ!」
隣から千尋が怒鳴る。
でも止まらない。
「お別れ...しなくてよかったの?
それで本当に後悔しなかったの?
ねえ、どうなのよっ!」
「.....アイツは俺をおいて
いったんだろ.....?」
「え?」
「知ってるだろ?ははっ、俺知ってるから
隠さなくたっていーって。アイツ...
俺のこと...裏切って.....っっ─...
いっ.....たんだ...ろ?」
慧が地面を叩く。何度も叩く。
慧の涙が地面にたれていく。
「さと.....し「もう.....俺...
分かんねえ─っっ......。」
「慧っっ!」
急に立ち上がって慧は走り出す。
あたしは必死にそれを追いかける。

