あの梓ちゃんが慧を裏切るようなことは
絶対しないって思うのに...
どこかで疑ってしまう自分がいた。
「梓ぁ─.....何でよ─っ...!
何で.....何で梓が...何で梓が
死ななきゃならないのよ─っ!」
梓ちゃんのお母さんが泣き喚く
みんなそれを見て上を向いた。
涙が溢れてくるのをガマンしようとして
でも...誰もガマンなんで出来ない。
「梓.....梓っ...私をおいてかないで!
お別れなんて......
しなくていいから.....っ!」
梓ちゃんのお母さんが床を叩く。
お別れ.....?
そっか。もう会えないんだ。
誰に?
梓ちゃんに。
会えない。もう.....二度と。
「っっ─」
「心.....愛?」
あたしは会場にいることも忘れて
携帯を開いて耳に当てる。
繋がらない.....
『留守番サービスセンターに
接続します。』
「っ!もしもし!?慧?何グズグズ
家に引きこもってんのよ!
来なきゃ慧もっと後悔するよ!
来なよ!今すぐ来いってば!
ねえ、慧!「心愛っ!」
千尋があたしの携帯を取り上げる。
「な.....んで?なんでそんなこと
するのよっ!?」

