レンタル彼氏Ⅲ【完結】

案の定、尚子はとても喜んでくれた。

電話をかけたら、学といたらしく、二人からのおめでとうに涙が出そうになった。



「絶対絶対、彼氏見せてねっ!」


「うん、もちろんだよ」


「だって、カッコいいんでしょ?」


「はは、うん」



興奮しながら尚子がそう言ったのを笑いながら答えると、話を聞いていた学がすねた声を出しているのが聞こえた。


あはは。
彼氏の前で他の人をカッコいいだなんだは、確かに禁句っ!



「あはは、尚子頑張ってー」


「ああ、学っ!
すねるなすねるな、泉、ごめんっ、明日かけるー!」


「ふふ、了解っ」



騒がしい尚子の電話を切った後。




伊織の家に向かうことに決めた。


和には直接言いたいから、誘わないとだな。

一番応援してくれたのは、間違いなく和だったから。



幸せを願ってくれていたのはわかってた。


でも、私は伊織なくしての幸せが考えられなかったから。




他の誰かと一緒になるのも、確かに幸せなのかもしれない。


だけど、ずっと伊織を思ってしまう私がいるはずだから。