「おい」


「何?」


そうやって、康博さんが私を呼んだ。


「これ、見てみろ」

そうやって、差し出したのは今日の新聞。

私はよくわからないが、その新聞を受け取る。
そして、記事に目を通した。

…だけど、これといって目立った記事がない。


思わず、首を傾げた。


「…明後日、大安だ」


「へ?」


首を傾げた私を見兼ねて、康博さんがそう言った。
だけども、更にわけがわからなくなって、変な声が出てしまった。




それを一笑してから、康博さんが話し出す。


「籍入れるか」


「はい?」


平日の朝。
康博さんはこれから仕事。

だから、私が朝食を作って食べているところだった。



そんな、なんてことない普通の食卓で。
まさか、こんなことを言われるだなんて思うわけがない。


この、タイミングで。


しかも、大安だからって。