『えー、だって……』



『服飾系、やりたいんじゃないの?』



あたしに隠し事なんて無理よ、
モカ。
大きな瞳を見開いて、豆鉄砲くらった
ような顔に思わず吹き出す。



『なんで知ってるのー!?』



ほら、また泣きそうになってる。
昔からホント泣き虫。
男がイチコロなのもよく分かる。



『ハイハイ泣かないの。勉強わかんな
 いとこあったら教えてあげるから』



そう言いながら、ここは学校なんだと
言い聞かせてる。
じゃないとあたしは理性を失って
ものの数秒でモカを……