終わらないセピア




『きっとな。そんな気がする』



『どういう意味?』



ポケットに突っ込んでいた手を出して、
同じように隣に立ちフェンスにもたれる



『要くんのしてきたことは許せそうに
 ない。だからキレイさっぱり別れて
 ほしい。自分には今失っちゃいけな
 い人が居るんだって』



それって………あたし?



あたしを選んでくれたの………?



『あいつ相当お前を信頼してんだな。
 例えお前が自分を裏切っても切れる
 仲じゃないとまで言い切ってたぜ?』



そんな会話を最後に
気付けばあたしは走り出していた。
伝えなければならないことが多すぎる。
頭の中を整理しなきゃ。
落ち着け、落ち着け。


高鳴る鼓動は足を速くする。