終わらないセピア




お昼休み。



窓際の席でいつも眺めている
グランド。
時折なびく風が心地よく
歪んだあたしの心を少しだけ
落ち着かせてくれる。



『ミッちゃん…?』



見上げた先に整ったモカの顔。



え……!?
今は彼氏と昼食中でしょ…?



『朝から…ミッちゃんの様子が
 おかしかったから。やっぱり今も
 考え事してる』



大きな瞳が揺れて
あたしの心にチクンと針を刺す。



『別に何もないよ』



『ウーソーだ。ミッちゃんは考え事
 してる時頬杖つきながら小指噛んで
 るもん』