家に帰る前、光のお母さんに光の携帯を預かった。


「香音ちゃん‥これ、光からのメッセージ。あなた宛てだから‥」
そう言って微笑むと、光のお母さんは、去っていった。



部屋へと着き、光の携帯を取り出す。

「メッセージってなんだろう…」

当てもなく携帯を操作すると、録画のボックスに一つだけ動画が残っていた。


再生をする。


『香音へ
オレ、もうダメかもしれない…。』

動画の録音日付は、事故当日。
光のまだ意識があったときだ。

『オレ……もっと香音にあいしてるって…言いたかった。

何もできない自分が…嫌だ…

もし、オレがいなくなったとしても、
香音…オレはずっと、香音をあいしてる。』
聞いているうちにどんどん涙が溢れてくる。

『香音、最後までメール…できなくてごめん。
1000回もあいしてるって言えて…良かった。

寂しくなっても、星を見てオレを思い出してまた…笑顔になってくれたらいいな…。

ずっと、ずっとあいしてる。

光』

その日は、光の笑顔のようにキラキラの星空だった。


私は、その星空を見上げ、
「光、ありがと……私もあいしてる…」
光へのあいしてるを告げた。 







私の指にはいつの日かもらったペアリング。






また会える日を楽しみに…

今日も星空を見上げた。