「行ってきます」

扉を開けると、朝の日差しが玄関に注ぎ込む
あまりの眩しさに右手を額に掲げなから、ゆっくりと外に出ようとしたその瞬間

彼の全てを縛るその声が、廊下にこだました

「いってらっしゃい。早く帰ってきてよ。 あと…分かってるよね?」

「……ああ」

いつもと同じ、憂鬱な一日の始まりだった