唇に付いた粉が煩わしく、舐めるよりも手でパンパンと払い落とし、今度は少し薄めにかじり、あえて苺を避けてみる。 ただの大福だ…… 苺大福として食べた時の食感や酸味はなく、取り立てて旨くもない普通の大福の味を味わっていると、“餅が苺に合うのか”“餡子が苺に合うのか”等という事を知らぬ間に考えていた。