「俺、瞬さんといたら奈央さんは幸せになれない…って思ってました。だから、俺…瞬さんのところに言って“別れて”って頼んだんです。いつ逝ってしまう人とより…傍にいる俺と付き合ったほうが、絶対にいいって思ってました。そのほうが、奈央さんは幸せになれると思ってました。…けど、それは俺のわがままでした。俺のわがままのせいで…2人を傷付けてしまって…スイマセン」
「龍輝くん…。でも、なんで…別れるなんて」
「…俺、分ったんです。俺は…瞬さんには敵わないって。…奈央さんと付き合えて、最高に嬉しかったです。こんな俺と、付き合ってくれてありがとうございました。少しでも、俺のことを見ててくれた時間が…すごく、嬉しかったです。奈央さん、瞬さんのところに、戻ってください。瞬さんには、奈央さんが。奈央さんには、瞬さんが必要です」
「っ、龍輝…くんっ…ヒック…」
泣く資格なんて、あたしにはない。
「俺は…奈央さんに、幸せになってほしいです。だから、奈央さん。絶対に…幸せになってください」
龍輝くんは…いつも、あたしのことばかりを考えてくれている――……。