【完】最初で最後の恋

点滴を打っている、奈央。
久しぶりに見る、愛しい子の姿。
「奈央……」
俺は、奈央の手を握った。
温かい、奈央の手は変わらないままで。
この手は、俺を落ちつかせてくれる──……。
奈央、早く元気になれよ。
そう思いながら、ギュッと、小さな奈央の手を握った。
「奈央、好きだよ。大好きだよ。…お前を、誰よりも愛してる」
眠っているのだから、聞こえるはずない。
だからこそ、俺は言う。
愛しい君へ、愛の言葉を…。
「好きだ…、好きだ」

何度も、何度も…愛の言葉を、捧げた。


涙を、流しながら。