【完】最初で最後の恋

並んでいる間は2人して新作のケーキのことを語っていた。
周りからしたらおかしな感じなのかな?
けど、とても…楽しかった。

────………

「怖かったっすね~」
「うん!1周回った時とか怖かった~」
「休憩しますか??」
「そうだね!どこか座ろうか」
あたしたちは近くのベンチに座った。
「ちょっと待っててくださいっ」
そう言って席を立った矢吹くん。

「おまたせしました♪奈央さんオレンジジュースで良かったですよね?」
「ありがとう♪」

「奈央さん…」
「なに?」
「…なんでもないっす」

彼が……
矢吹くんが悲しそうな顔をしていた。

そうさせているのは、
まぎれもなく…

この、あたし──……。