【完】最初で最後の恋

目の前にいる、矢吹くんのことじゃなくて…。
瞬のことを、考えていた──……?
「なんでもないよ♪楽しみだな」

あたし、ホントに最低だ。
矢吹くんのことを、見ようと思ったのに──……。
もう、瞬は…
“過去の人”
なんだから……。
ううん。
過去の人に、しなくちゃいけないんだから──……。

あたしはギュッと、手を握り返した。
「っ///!!」
今は、あたしを好きでいてくれている…
彼だけを見よう。

けど、中途半端な気持ちは……


矢吹くんを傷付けることしかできないんだ──……。