【完】最初で最後の恋

「え……?瞬、なんの冗談?」
俺だって、冗談だよって言いたいよ…。
「ねぇ、瞬………」
頼むから、そんな悲しそうな声を出さないで…。
気持ちが、揺らいでしまう…。
「ねぇ…「…別れてくれ」
俺は奈央の言葉を遮り、もう1度言った。
「どうして?あたし…何かした?あたし…「うざくなった」
そんなこと、思ってない…。
うざいなんて、思ってない…。
「もう、なんか疲れたんだよね。記憶なくなるたびに泣かれるのやだし」
違う、そんなこと思うはずない…。
「っ、泣かない…から」
そう言いながら涙を流す奈央。
拭えなくて……ゴメン。
「正直、もうお前にはうんざりなんだよ」
俺は思ってもないようなことを言った。
「…もう、終わりだよ俺たち。…帰れ。もう来るな」
奈央、俺を……、
忘れてくれ。